森のようちえんから国際交流まで、幅広い社会教育交流活動をご紹介します。

ファミリーキャンプを楽しんだ2021年

「ガスランタンを初めて点けたり」「雨の森を歩いたり」「カブトムシを探したり」。つぎは、「本のなかでも紹介されている『缶々ごはん』を炊いて食べること」

日野市高幡に所在する訪問介護事業所、株式会社かけはし(渡邉雅子代表)にお勤めの髙橋美枝さんより、次のような感想をいただきましたのでご紹介いたします。

『森のようちえん冒険学校』を読んでいると、子どもの自分が目を覚まし、いてもたってもいられない。今すぐ外に出て、子どもと一緒に草むらの中に飛び込みたくなる。

中能さんとは、今の職場の代表から紹介をいただき、お会いすることができました。ひょうひょうとした気さくな方で、本の中で「ヨンタ」さんが出てきた時、全く違和感なく中能さんと重ねることができました。この本を読んだ感想を、正直に書かせていただきました。失礼がありましたらご容赦ください。私自身、今の生活のメインが介護の仕事と育児なので、この本からもものの見方や考え方等、学んだことが多くありました。

一人目の子を産んだ時、私は赤ちゃんというものを触ったのが、自分の子が初めてでした。大事に育てすぎて、少しでも危ないと思うものは事前に避けておき、本人にも危ないよ、と言い聞かせてきてしまいました。大事に、というよりは、恐る恐る、といった方が近いかもしれません。

東京は人も車も多く、普段外で遊ぶところは、住宅街の中にあるちょこっとした公園か、少し離れたところにある大きめの公園くらい。外遊びをさせてあげたいと思っても、自分の子ども時代とは全く違う環境(私は北海道の大雪原と牧草地に囲まれて育ちました)で、右も左も分からず悩みまくりの初めての子育ての中、とにかく怪我や病気をさせないようにするだけで精一杯でした。

この本の中に登場する森のようちえんと冒険学校の子どもたちの、生き生きとした遊びを読んで、自分の子にはこんなに木登りをさせたことは無いし、何より絶対、私が「危ないよ!」と言ってしまう・・。

「刃物はよく切れる物を。」なんて、全く考えつかなかったし、持たせようとも思いませんでした。

本の中で繰り返し「見守る」という言葉が出てきます。

子どもの「体験」する機会を「危ないよ」で奪っていることに気がつき、学びました。そんな息子ですが、昆虫が大好きすぎる少年になってくれて(そんな風に育ててしまったのに、昆虫!)今、青年の入り口に差し掛かっていますが。

本を読んだあと、少しでも「体験」を取り戻せるかな?と思い立ち、密を避けて近隣にあるキャンプに連れて行きました。ガスランタンを初めて点けたり、雨の森を歩いたり、カブトムシを探したりして、充実して過ごせていたようです。私が「危ないよ」を飲み込んで、「見守る」をどこまでできるか。それでも、つい言ってしまうこともありますが、いつでも「自分がどうするか?」が大事なんだなと思いました。

仕事の上では「ホスピタリティ」についても、大きな学びになりました。第4章 リーダーのホスピタリティーは、仕事をしていく中で大切なことが集約されていました。

今の自分の仕事である、介護というサービス業に携わる中で、サービスとホスピタリティの違いを知ったことは、今後のお仕事全体の質が向上するキーワードになったと感じました。

まだまだ未熟者ですが、リーダー的なお仕事もさせていただいているので、ホスピタリティを職場のみんなにも知ってもらいたいと考えていて、実際の研修内容にこのキーワードを盛り込むつもりでいます。お許しいただければ嬉しいです。

はじめの引用の文章で、ヘンリー・ターナー・ベイリー博士の「子どもの生まれながらの権利」は、読むと涙が出そうな気持になります。というか本当はちょっと泣きました。

人間も動物。自然の一部で、大きなもので包まれている。そこにある絶対的な安心感や一体感を、野外活動を通して「体験」すること。そして誰もが子どもの自分が内側にいて、きっと大人になっても、「体験」はできるんだろうなと感じました。

『森のようちえん冒険学校』の内容は様々な要素を含んでいて、最後まで楽しく読ませていただきました。何よりもたくさんの気づきをいただけたことに感謝します。そして次のキャンプの機会があったら、絶対にやろうと決めたことがあります。それは、本のなかでも紹介されている『缶々ごはん』を炊いて食べることです。

今から、ワクワクしています。子どもの「体験」する機会を「危ないよ」で奪っていることに気がつき学ばせてくれた一冊でもあります。
子育て中の方には、是非、読んでほしい本としておすすめいたします。

投稿:髙橋美枝

株式会社かけはし(渡邉雅子代表)
https://kakehashi.hinofuku.org/

子どもの生まれながらの権利 ヘンリーターナーベーリー

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