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こぶしの花の想い出

小さいころの記憶の一つに、父の花好きのことがあります。父は季節の花や野菜などの販売が掲載された雑誌を見るのが好きでした。そして気にいたものがあれば取り寄せて育てていました。チューリップ、アマリリス、アヤメ、クレマチス、ナデシコ、ツバキ、モモ、ナシ、柿、スイカ、メロン、キュウリ、トマト、ダイコン等四季折々様々なものを栽培していました。あるとき、「ほら鉢植えのアマリリスが水がほしいといっているだろう、お前には聞こえないか」と言われました。水やりが終わると今度は「ありがとうと言っているだろう」と話してくれました。もちろん私には何も聞こえませんでしたが、水やりや草取りなど時々手伝った記憶が残っています。今でも植物が好きなのは父の影響があるのではと思うことがあります。

ある日、父が見ていた本をのぞいた時のことです。大きな木全体に白い花をつけた写真を見つけました。「これは何」と聞くと「ハクモクレン」と教えてくれました。その時の印象が強く残っていて、いつか本物を見てみたいと思っていましたがその夢は1970年上京した春に叶うことができました。近くの公園や庭木として栽培されていて、柔らかい白い色の本物に出会うことができてうれしかった記憶は50年前のことですが、それから毎年桜の花とハクモクレンの花を見るのが楽しみでした。(モクレンとは紫色の花をつけるものを言うそうです)

そして、ここ長坂に来た時、ハクモクレンの花を見つけました。公園や庭木でしか見たことのなかった私は、ハクモクレンは林の中にも育つのだと思い近づいてみました。しかし、その花はハクモクレンには似てはいましたが、その花は少し小ぶりで、広がっており、白い部分の厚みも違っているように感じ、ハクモクレンの花とは違っていました。調べてみるとそれはモクレンの仲間ではありましたが、コブシという花でした。

それから毎年ゴールデンウイークのころにはコブシの花に出会うのが楽しみになりました。しかし今年は3月の末に満開のコブシと出会うことができました。コブシの花と出会うことができ喜んでは見たのですが、これも温暖化の影響ではないだろうかとやや複雑な気持ちになりました。

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