2024年9月11日
父は年に数本の箒を作っていたが、熟練された手さばきの器用さと出来上がっていく美しさに私たちは見惚れていた記憶がある。そして、子どもたちの背丈に合わせて作ってくれた箒は実に使い勝手がよく、いつまでも大切にしていた。
なるほどと思いつつさらに挑戦を続け、回転はしなくなり、掃けるようにはなったが、記憶の中にある箒の穂先は丸ではなく平らであった。さらに記憶を手繰り寄せ平らにすることができた。
現代の生活は60年前と比べてみると実に便利になった。しかし、それと引き換えに何か大切なものを置き忘れてきているようにも感じる。