1970年に設置されたイースト・スーク・リージョナル・パークは、東西約7.5km、南北約5.5の広さで、外周の大半が海に面している公園で、いくつものハイキングコースが整備されており、週末ともなれば多くのハイカーでにぎわっています。
今回は、公園の西側にある全長約2Km のIRON・MINE・BAY(アイロン・マイン・ベイ)コース、を紹介いたします。
このコースの入り口までは、ビクトリアから車で約1時間ほどですが、公園入り口に曲がる道路に入る前に是非、おすすめしたいビューポイントがあります。
その場所は公園入り口を通り過ぎて数分のところにあり、Sooke Harbourの入り口をさえぎっているWhiffin Spit Parkを一望できる場所で、絶景そのものです。
写真ではその一部しかご紹介できませんが、目の前に広がるパノラマはまさに見た人だけが味わうことができる景色であり、車に1時間も揺られて来たことさえ瞬時に忘れさせてくれる場所です。
ここでの眺めを堪能していただいたら、いよいよ今回のメインコースである、IRON・MINE・BAYの入り口に向かいます。コースの入り口には、公園の案内と標識が設置されていて、入り口を迷うようなことはなく、初めての人でも気軽に歩くことのできるコースです。また、トイレも完備されていますので、スタートする前に済ませておくとよいでしょう。
コースに入った瞬間にひんやりとした冷気を感じ周りに目をやれば、樹齢100年は超えているであろうと思われる、苔むしたモミの木、ヒノキ等の巨木が無数に出迎えてくれ、自然のエネルギーであるマイナスイオンを身体全体で感じることができます。
入り口から海沿い近くまでのコースはきちんと整備されていて、道幅も3m近くあり語り合いながら歩くことができます。程よく進むと、樹齢数百年を超えて伐採された切り株の上には新しい木が芽を出し、カナダの厳しい環境の中で根を張り数十年生き続けている様子や、伐採するために足場を作ったと思われる切り株などは、大人が4~5人で囲んでも余りある大きさです。
さらに、コースの脇を流れる小さな流れや湿地帯には巨大化した水芭蕉の群生が見られ驚くこともあります。ちなみにここの水芭蕉の花は黄色で見ごろは4月~5月はじめ頃と思われます。ただスタスタ歩くのではなく周りの雰囲気を楽しみながらのハイキングをおすすめしたいところです。
歩き始めて30~40分ほどのところに来ると<BIEWPOINT>という立て看板が現れます。初めての人はそのまま前に進みたくなりそうなところでもありますが、是非、進路を右へ変えてビューポイントの方へ足を伸ばすことをおすすめいたします。(ちなみにビューポイントまでは約10分程度です)
ここからの道幅は1m前後と狭くはなりますが、特別歩きにくくなるわけでもなく、むしろ自然の息吹を身近に感じるコースと言ってもよいでしょう。
しばらく進むと、風の音ともに海の香りが漂ってきます。ふと見渡せば周りの木々は松の木が中心となり、その木々の間からは入り江や半島が見え隠れし、ふと見入ってしまうこともしばしばです。
最後のポイントまでの残り数分は岩場が続きますが特に危険な場所ではありません。しかし、捻挫などはそれほど険しくない場所でも起こりうる可能性がありますので、気を抜くことは禁物です。
歩来て良かったと言える場所のひとつで、眼下の渦潮の先にはDonaldsonという名前のついた無人島があり、しばし見入ってしまうことは間違い無しです。そしてふと気がつけば島の先には太平洋その先にはアメリカ・ワシントン州の雪をかぶった頂がくっきりと見えています。
ここで、お昼と行きたいところですが、ここではのどを潤すだけにとどめておきましょう。ただし、時間がたっぷりあるときにはのんびりするのもおすすめです。いや、潮騒の音を子守唄に松の木陰でのんびりと昼寝をするのは贅沢な時間の過し方の一つであるかもしれません。
半島での景色を楽しんだあとは、今日の目的地アイロン・メイン・ベイへ向かいます。
帰りは、今来た道を引き返すことになりますが、看板のあった場所まで引き返す途中に、
海岸へ下る道が見えてきて、そこを下るとわずか1分で波打ち際にたどり着きます。
流木に腰をかけ波の音に耳を傾けつつ太平洋を眺めるもよし、靴を脱いで海につかるのもよし、まさにプライベートビーチとして楽しんでいただくことができます。
そして、おすすめは目の前にある半島への訪問です。干潮の時期には何の心配もなく渡ることができますので、是非、行ってみてください。海抜10メートル前後の半島ですが、ゴールデンウィークのシーズンには紫色のシラーが咲き乱れています。
また、眼下には先ほどのビーチと透き通った海を堪能できます。もちろん先ほどのDonaldson島やアメリカの山々、そして沖行く船を眺めながら昼食をとるところとして、充分に楽しんでいただける場所です。
※満潮時には渡るのに苦労することも考えられますので、詳細には現地の方に調べておいていただくとよいでしょう。海岸からなだらかな道を数十メートル歩けば森の中のハイキングコースに戻ることができます。ここからは、
などの選択肢がありますが、今回は出発点に戻るコースを選びました。この分岐点にはトイレも設置されていますので、海岸に長時間いても安心して過すことができます。
ここから駐車場までは、来た道を引き返すことになります。また、途中にはANDERSON COVE TRAIL~海抜272mのMt.MaguireそしてCOPPERMINE TRAILを目指すコースへの分岐点もあります。このコースを選ぶと到着する場所が別のところになりますので、運転手に先回りしておいていただくと、ここから約2~3時間程度の軽登山とハイキングを楽しむことができます。
※このコースは初心者向けのかなりのんびりめの時間設定ですので、健脚な方は海抜272mのMt.Maguire~COPPERMINE TRAILを目指すコースや(1)や(2)のコースに挑戦されることも良いでしょう。